🦐 先週の3本|薬の値段と出産費用を、麻酔科医の目で読む

スペシャル企画「厚労行政を勉強する」の3回を、ぼくの視点を中心にふり返ります。

こんにちは、松田祐典です。

今週から、ワンますニュースは
毎週火曜の朝7時に、
1通にまとめてお届けします。

前の週のワンますラジオを、
かんたんな解説とぼくの視点で
ふり返ります。

先週は、スペシャル企画
「厚労行政を勉強する」の3回でした。

目次

  • 薬の値段はどう決まる?(10月26日)
  • 薬価はなぜ下がる?(10月28日)
  • 出産費用の保険適用(10月30日)

気になった回は、放送とnoteからどうぞ。

薬の値段はどう決まる?手術室から薬価制度を読む

厚生労働省の
「現行の薬価基準制度について」から、
薬の値段が決まる流れを見ました。

似た薬の価格と比べる方法と、
費用などを積み上げる方法があり、
薬の特徴に応じた加算や、
保険に載った後の価格の調整もあります。

下の図は、その全体像です。
欄を左からたどると、
薬のライフサイクルに沿って
制度が組まれていることが分かります。

出典:厚生労働省「現行の薬価基準制度について」

出典:厚生労働省「現行の薬価基準制度について」(中医協 薬価専門部会(2026年7月8日)の資料ページ)

ぼくの視点

製薬企業の人からすると、
開発するのにコストがかかっているんだから
薬価をずっと維持してくれ、となる。

そう聞くと、そりゃそうだなって
思うじゃないですか。

でも、新しい薬はどんどん出てきます。

ほかのものに置き換わって、
使われなくなっていくのに、
なんでその値段を
維持しなきゃいけないのか。

iPhone 7とiPhone 18が同じ価格だったら、
どう思います?おかしくないですか?

時代とともに薬価が下がっていくのは、
当たり前っちゃ当たり前なんですね。

noteには、
薬価を決める2つの方式と加算のしくみ、
保険に載った後の価格の調整を
書いています。

🎙️ 放送を聴く

📝 noteで読む:薬の値段はどう決まる?手術室から薬価制度を読む

薬価はなぜ下がる?手術室から考える調整幅2%のしくみ

同じ資料から、
すでに使っている薬の価格を見直す
しくみを読みました。

実際の取引価格を数量も反映して平均し、
消費税と調整幅を加えて薬価を算定します。
調整幅2%の基準は、改定前の薬価です。

下の図の「改定前薬価」「市場実勢価格」
「改定後薬価」を見比べると、
調整幅2%を残して薬価を見直す関係が
分かります。

出典:厚生労働省「現行の薬価基準制度について」

出典:厚生労働省「現行の薬価基準制度について」(中医協 薬価専門部会(2026年7月8日)の資料ページ)

ぼくの視点

麻酔科をやっていると、
手術で使う薬は全部患者さんに請求できる。

そういうコンセプトのもとで
働いているので、
高い薬とか安い薬とか、
そんなに意識しないじゃないですか。

でも、ぼくが以前いたカナダでは、
麻酔の料金の中に全部、
薬の値段も入っているわけです。

麻酔方法に関係なく、
麻酔科医がやる麻酔は
この値段と決まっています。

日本では全麻とスパイナルで
技術料の差が出てくるので、
なかなか区域麻酔が広まらない。

提案できるとすれば、まあ包括しかないよね
というところです。

ただ、どういう包括にするのかは
日本独自のことをやっていくしかないし、
「どうしようね」という話になってきます。

noteには、
「市場実勢価格加重平均値調整幅方式」
という長い名前の中身と調整幅2%の意味、
麻酔の包括化について
ぼくが考えていることを書いています。

🎙️ 放送を聴く

📝 noteで読む:薬価はなぜ下がる?手術室から考える調整幅2%のしくみ

出産費用の保険適用、どこまで決まったのでしょうか

10月1日に始まった厚労省の検討会の
資料には、分娩1件当たりの基本単価と、
施設の体制・役割等を評価する加算という、
新しい給付の骨格がすでに示されています。

費用は保険者から施設へ直接支払う形です。

具体的な金額や加算の条件は
まだ決まっておらず、
12月頃のとりまとめが予定されています。

下の図の基本単価と加算、保険診療、
アメニティ等の欄を見ると、
給付と自己負担を分ける骨格が分かります。

出典:厚生労働省「妊娠・出産・産後における診療やケアの内容等に関する検討会」第1回 資料

出典:厚生労働省「妊娠・出産・産後における診療やケアの内容等に関する検討会」第1回 資料(検討会(2026年10月1日)の資料ページ)

ぼくの視点

結局、決まってしまったら、
もうそれに従うしかないのが
現場の我々です。

でも、今の段階で
ある程度見えてくるじゃないですか。

加算は、たとえば
新生児科の先生が24時間いるとか、
麻酔科が24時間対応しているとか、
そういったところかもしれない。

どういう形になるかは、
ぼくも全然知りません。

妊娠・出産のことが一段落つくと、
次こそ本当に無痛分娩の話に
なってきますよね。

費用をどれぐらいにするのか、
誰を保険でやって
誰を保険でやらないのか。

そういったのを踏まえた上で、
今後検討がなされるだろうな、
というのがなんとなく分かります。

次回の第2回は、
11月4日(水)13時から開かれます。

YouTubeのライブ配信があり、
資料と配信の住所は、当日の午前中までに
検討会のページに載ります。
アーカイブ配信はありません。

検討会のページはこちら(厚生労働省)

noteには、
新しい給付の骨格とこれから決まること、
吸引・鉗子娩出術の算定回数の動き、
資料と議事録を行ったり来たりする読み方を
書いています。

🎙️ 放送を聴く

📝 noteで読む:出産費用の保険適用、どこまで決まったのでしょうか


編集後記 『エビの秘密』

最後まで読んでいただき、
ありがとうございます。

先日、リアルでお会いした先生に、
なぜ「🦐」なの?と訊かれました。

その方は、硬膜外麻酔をするときに
「エビのように丸くなるから?」と
言っていました。

違います。
これは、エビデンスの🦐になりますww

めっちゃ滑っているのはわかりますが、
タイトルにいつも同じ絵文字を使うと、
メールボックスで分かりやすいので、
ついています。

そして、絵文字が
タイトル冒頭についていると、
メールの開封率が高くなる
データもあります。

こういった創意工夫も凝らしていますので、
引き続きお付き合い頂けますと幸いです。

それでは、また来週の火曜に。

お相手は、松田祐典でした。

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